父が亡くなった。
残されたのは母と私達姉弟。
生前から父は「お前達に残せる物は無いが、背負わせる借金もないからな」と言って笑っていた。
しかし、実際、葬儀の後の色んな整理をする段階で色々な問題が起こった。
本当に借金はなかったが、現在住んでいる家や家庭菜園に使っている庭。
そして1番大変だったのは父の貯金。
私達の結婚資金や、開業するなら使いなさい…と残してくれていたのは私達名義なので問題は無く、有り難く頂いた。
父の貯金…
総額は多額ではないのだが、1千万以上の貯金は銀行が破綻しても返せませんよ?的な通達にそなえ色んな所で通帳を作っていたのだ。
どれにも1千万も入ってないのに。
それらもまとめて母が…と言う話になったが、そこからが大変だった。
何十枚という書類を市役所で貰い、父が亡くなった証明をしてお金をおろし、通帳や名義を抹消する手続きを通帳の数だけこなした。
現在はこれらに加え、ネットバンキングの暗証番号が分からない、パソコンのアドレスもパスワードも故人しか知らない…と言うケースも多いみたいですね。
はっきり言って家・土地の相続より大変。
次は家や土地の相続です。
まず母が相続し、いずれ私達が相続する事になる物は、姉弟で揉める事なく決まりました。
独立して家族を持ち、家をよそに建てた弟が土地。
暫くは母と暮らす家を私。
税理士さんを交えて、相続税の話になりました。
算出方法とかは分かりませんが、かなり納税する事になっていました。
「では、お母様がお亡くなりになられた後はお二人が?これだとまた、相続税が同じ位かかりますから、一気にお子さん達が相続しませんか?」
確かに…父→母→私達と動くより、父→私達と動く方が手続きの時間も、手間も、税金も抑えられる。
再び書類を作り直したりしたが、無事に相続は完了…したかに思えたが、後に、祖母名義の土地が出て来た。
それを父の兄弟と分け、さらに私達に二分して…と言うものだ。
こちらは土地の権利を放棄する事にしたのだが、これもまた手続きに書類が必要で大変だった。
これは私の個人的な感想だが、このまま独りならば借家でも良いなと考えてしまう 位、相続は大変だった。